ソノフォニック的、かたよった音楽用語集

プラグインエフェクト

コンプレッサー
イコライザー
ピッチシフター
スラップバックディレイ
テンポシンクディレイ
プレートリバーブ
デジタルリバーブ
IR リバーブ(コンボリューションリバーブ)
スプリングリバーブ
シマー・リバーブ
サチュレーター
アナログモデリング
ローファイエフェクト
ビットクラッシャー
テーププラグイン

ギター

トレモロ
トレモロ(矩形波タイプ)
フェイザー&コーラス
フランジャー
フィルター
ワウ
ファズ
ディストーション&オーバードライブ
BOSS
モディファイ
サンズアンプ
出力トランスでの音の変化

プラグインエフェクト

コンプレッサー

使い方によって「音に迫力を出す」、「アタックを強調する」、「キックのタイミングでベースの音を小さくする」といったことができる音に迫力を出す場合=レシオは8以上、アタック&リリースは一番早くして、スレッショルドを低くしていく。アタックを強調する場合=レシオは4以上、アタックは40ms〜120ms、リリースは120msくらいで、スレッショルドを低くしていくと強調できる。細かい音符が多かったりテンポが早い場合はアタックもリリースも早くする。

 

イコライザー

低音をカットしてすっきりさせたり、高音をブースとしてキラキラさせたりできる。ブーストする場合は実機をモデリングしたプラグインが向いている。カットするのはなんでも良いが、Q幅が狭いもの、カット量が大きくできるもの、ローカットで急なスロープを選べるものが向いている。低音が大事なベースとキックはリニアフェイズ・タイプを使う。そうでないタイプの場合、低域がぐちゃっと汚くなりやすい。

 

ピッチシフター

センターで鳴らしているボーカルに対して、微妙に音程をずらした音を左右で鳴らすことで広がりを出す、という使われ方が多い。コーラスも似たような効果なのだが、音程に揺らぎが出てしまうのでボーカルには不向き。ギターなどに、音色の一部としてかける方がいい。音程を思いっきり変えて(というよりフォルマントを変える目的で)「変な声」にしてインパクトを出す、というのも最近よく聞く。

 

スラップバックディレイ

1回だけ鳴らすディレイ。ボーカルやギターに小さめに混ぜると存在感を大きくできる。多めに混ぜるとガレージロックやロカビリーのような響きが出せる。ディレイタイムが130ms程度、フィードバックを0(1回だけ)に設定する。高域も低域も少ないアナログディレイが向いている。プラグインだとWaves「Kramer Tape」、「H-Delay」、UAD「EP34」、Native Instruments「GuitarRig 内蔵の Dual Delay」などが使い易い。

 

テンポシンクディレイ

U2のエッジのようにディレイ音も含めてフレーズの一部にする場合は付点8分音符でリピート回数を少なめ、原音と同じくらいで混ぜる。DAWのテンポに追従するタイプが多いが、曲中にテンポチェンジが多いとディレイタイムも一緒に変わってディレイ音の音程が変わってしまうので注意。原音に忠実なデジタルディレイでいいのだが、プラグインでエッジを真似するならビンテージデジタルとUAD「Korg SDD3000」、またはNative Instruments 「Replika」などがいい。クリアなデジタルディレイにビットクラッシャーをかけても似せることができる。

 

プレートリバーブ

EMT 140 などが有名。明るい響きがボーカルなどにちょうどいい。

 

デジタルリバーブ

Lexicon480 / 240 などが有名。高域に特有のザラつきがあって、そのせいで少なくてもリバーブ音がよく聞こえる。Lexicon のモデリングとしてはNative Instruments「RC48」が一番オススメ。

 

IR リバーブ(コンボリューションリバーブ)

実在の空間を忠実に再現するので、オーケストラ系の曲でホールの残響を再現するのに使う。映像に効果音をつける場合にも非常に重宝する。UAD「Ocean Way Studios Room Modelar」にはギター用のブースと(おそらく)マーシャル&VOXのキャビネットをこみでモデリングしているので、キャビネットをバイパスできるアンプシミュレーターがあるとマイキングも含めて、その場にいるようなサウンドにできる。

 

スプリングリバーブ

古いロックで聴けるギターアンプ内蔵の音がイメージしやすいが、UAD「AKG BX20 Spring Reverb」のようにスタジオ用のものはダークで密度が高く、独特の響きがある。ものすごく楽器数が少ない場合にこの煙るようなリバーブはよく合いそうだ。

 

シマー・リバーブ

Valhalla DSP「Valhalla Shimer」など。ピッチシフトで1オクターブ高くしたリバーブと通常のリバーブが混じって、非常に幽玄な響きになる。

 

サチュレーター

たくさんのメーカーがプラグインを出している。使いやすさと音質を考えると SoundToys「Decapitator」が最高だと思う。クリス・ロード・アルジもオススメ。それ以外ではUAD「Studer A800」、Waves「Kramer HLS」を通すと、どっしりした低域の土台を得ることができる。もし複雑な操作が苦にならないならbrainworks「bx_Satulator」が最も幅広い効果が得られるが、個人的にはもっと手軽に扱いたいのでやめてしまった。

 

アナログモデリング

実機をモデリングしたコンプレッサーなどは、コンプとして使うというよりも、通すことで得られる音色のキャラクターを得るために使うといいようだ。リダクション量を増やしていくとLA-2Aはサラサラした高域の歪みが増えていき、LA-3Aは暴れずにしっかりまとまる。1176はアタックとリリースを思いっきり早くするとバリバリと歪んでいく。API 550はイコライザーなのにアタックがはっきりするのか、パンチが出てくる。これらの特性を覚えていれば、目立たせたいパートにかけて前に出したりして奥行きが出せる。

 

ローファイエフェクト

プラグインとしては音を汚して後ろに引っ込めて、楽曲全体に奥行きを作る目的で用いるが、おそらくアウトボードで作業している人は機材を通すことによる音質の変化を全て記憶していて、奥行きを出しているのだろう。

 

ビットクラッシャー

サンプリングレートを下げることでザラザラした荒い音になる。このままだと高域に癖が出て逆に目立つので、引っ込めたい場合はローパスフィルターでカットするといい。プラグインではD16「Decimort」がオススメ。

 

テーププラグイン

Waves「Kramer Tape」は「アナログテープのウォームな〜」というより、音を古臭くして引っ込ませる汚し系のエフェクトとして、スラップバックディレイとして非常に使いやすい。Fluxの値を増やすことで絶妙に音がなまって、後ろに引っ込ませることができる。

 

ギター

トレモロ

音量が常に変化することで心地よい揺らぎを作ることができる。昔のギターアンプに付属していたのが起源で、アンプによって揺れ方がかなり違う。音量によって周期を早めたり遅くしたりすると非常に面白い。

 

トレモロ(矩形波タイプ)

周期を早くすることで「ガガガガ。。。」というトム・モレロのようなマシンガン効果を出すことができる。「ハッ」とさせられるので曲の一部で使うか、フレーズの一部としてしまうのも面白い

 

フェイザー&コーラス

ディレイやリバーブと合わせてかけることでサイケデリックな雰囲気を出すことができる。

 

フランジャー

ドラムのフィルインなど、曲のここぞ、という場面で「思いっきり」かければいいアクセントになる。ジミヘンの曲や、レッチリのダニー・カリフォルニアとか。ボーカルやハイハットなどに薄くかけると一気に70年代くらいのサウンドになる。

 

フィルター

高域や低域など、不要な帯域をばっさりカットするのが本来の目的だが、DJがターンテーブルなどに付属するフィルターやエフェクトを操ってお客さんを踊らせているのを見ると、エフェクトというよりもはや楽器の奏法といえる。

 

ワウ

もともとはトランペットのミュート(吉本新喜劇の曲の「ホンワカホンワー」という音)をギターで真似したかったのが始まり、らしい。もともとはトランペットのミュート(吉本新喜劇の曲の「ホンワカホンワー」という音)をギターで真似したかったのが始まり、らしい。

 

ファズ

ヒステリックで荒々しい、頭をかきむしるような響きが最高にかっこいい。ジャック・ホワイトの音も最高!Death by Audio のApocalypseというファズがいろいろなファズの音が出てオススメ。

 

ディストーション&オーバードライブ

2つとも歪みを生むことに変わりはなく、違いにこだわるのはギタリストくらいだが、ストンプボックスとしては歪ませ方の原理(設計)が違うので、結構違う音になる。一般的にはオーバードライブは原音に近く、低域の削れたマイルドな音、ディストーションはややドンシャリで這い上がりなジャングリーな音となる。どちらもBOSSのオーバードライブ「OD-1」とディストーション「DS-1」をそのまま表している。やはりBOSSは偉大だ。

 

BOSS

日本が世界に誇るエフェクターメーカー。壊れない。どこでも売ってる。音は標準、というより「基準」。需要が高いので買取の値段も高い。狭い交友関係で聞いても初めに買ったエフェクターはみんなBOSS。そして今、何百ものエフェクターを買って売ってからも「うん、やっぱりBOSS!」そう思えるメーカー。

 

モディファイ

5年くらい前にSoul Power Instrumentsさんに無茶を言ってBOSSのフランジャーをエクスプレッションペダルでレートが操作できるように、しかもユニバイブと同じようにかかと側に起こすとオフになるようにしていただいたことがあった。Strymon Mobiusを買ってもう売ってしまったのだが、今頃誰かが使っているだろうか?

 

サンズアンプ

専門学校時代に友人に借りたベース用のサンズアンプが大好きで何にでもかけていた。あとからチャド・ブレイクという人を知った。多分、知らない間に耳にして影響を受けていたのだろう。Native Instruments「GuitarRig TransAmp」は見た目どおりのサンズアンプをエミュレートしたもので、ドンシャリでローファイな音になる。

 

出力トランスでの音の変化

ミキサーやアウトボードのプリアンプ部分、出力トランス部分で音が太くなったりして存在感が増す場合がある。微妙だが、通すだけでも確かな変化がある。弊社のdbx160SLも通すだけでほんのわずか、中低域の密度が増すので、ボーカルなどに通すこともある。

制作ブログカテゴリーの記事